基調講演「売れる地域ブランド食品~その目的と仕組みづくりとは~」 #2
講師 三輪宏子 (株)FMS綜合研究所 代表取締役社長
平成20年度「食と農林水産業の地域ブランド協議会」総会等開催結果の報告
農産物のブランド化は困難 カギは加工食品にあり
農産物のブランド化は困難です。その理由を説明します。青果市場など農産物のマーケットが求めるのは安定した「量」と「価格」です。毎日、我々の口に入る食品だから、例えばトマト1個が1万円ということはありえません。
また、ほとんどの農産物には代替産地があるので差別化が困難です。中国の冷凍餃子事件などもあり、消費者は農産物については国産を求めます。しかし、それが宮城県産なのか、宮崎県産なのかについてはあまりこだわりません。
温暖化により産地の北限が北上しています。あらゆる地域で様々な農産物が生産されるようになると、ますます差別化が難しくなることが考えられます。
品質保証を差別化にしたいとの意見も聞きますが、品質保証は食品として当然のことなので、差別化になりません。
魚沼のコシヒカリは、ブランド化のために30年という年月がかかったと聞きます。また、年間8億円のセールスプロモーション費用をかけているといいます。ブランド化には時間とお金がかかるのです。
効率よくブランド化するにはどうしたらよいでしょうか。消費者の皆さんは、スーパーに行くと必ず表示を見ます。加工食品は原料原産地に県名まで表示するようになっています。例えば美味しいソーセージを買い、表示を見たら原料に宮城県産の豚肉を使っているとします。そこで初めて、宮城県でも美味しい豚肉が生産されているのだと認知されます。加工品をブランド化することが、農産物の産地の認知度を効率よく向上させるための方法であると考えます。加工食品にすることで付加価値は4倍になると言われています。規格外品として産地廃棄されていた農産物も活用できます。
ブランド化は目的ではなく、地域の認知度を上げ、活性化させるための手段だということを認識して下さい。




