20年度「食と農林水産業の地域ブランド協議会」総会等開催結果の報告
パネルディスカッション「地域ブランド戦略の構築とブランド価値の創造」 #2
単なる「ものづくり」ではなく、地域の意識改革と産業興しが目的(田中さん)
(田中さん)「安納いも」は非常に甘く、とろみがあり、焼き芋にしたときにクリームのような味わいが特徴です。しかし、形が小さくて見た目が貧弱で美味しそうに見えません。如何にして美味しさを伝えるかを徹底的に行い、次の7つの行動を長期計画として実施しています。
一つ目は、ブランドとは何かを理解すること。誤解したまま進めると、単にマークやネーミングを付けただけになりかねません。何のためにブランド化するのか、ブランド化には何が必要なのかを知る取組を行いました。
二つ目は、品質向上のための基準づくりを行いました。安納いもはある程度消費者に認知され、栽培が増えています。栽培が増えると品質が悪いものも出回ってしまうからです。
三番目は、評判が高まったことで、種子島ではない他の産地で作られた安納いもが登場しているので、地域団体商標の取得を申請しました。
四つ目は、需要を高めるため、加工品の商品化と食べ方の提案をめざします。現在は島内では十分な加工能力がないので、外部のシェフとの協働で開発し、商品化された暁には、商品化のラインを外部から島内に移入する考えです。廃校になった学校を加工工場に変え、そこにラインを移すとともに、レストランにし、雇用の創出をめざします。
五つ目は、消費者調査。JAと、種子島を構成する三つの市町から合計6名が実際に消費者に直接販売し、食べてもらい、その反応を直接聞きます。これにより、自分たちの商品がどのように評価され、どのような売り方や伝え方をすれば美味しさが伝わるかを肌身で感じます。そして、「もっと良い形のいもを作らないといけない」「もっと厳しいルールを決めなくてはいけない」ということを学び、それを地元に帰って皆に伝え、地域の意識改革を進めるのが六つ目。
最後に観光との結びつけ。隣には屋久島という世界遺産がありますが、屋久島には農産物がありません。そこで、お土産には種子島の美味しいもので作られたものを買って帰りたいという需要の発掘をめざします。
今回のブランド事業は、単なるものづくりではなく、生産者の意識改革と、それを通じて素晴らしいものを作り、島内に産業を興し、そしてヒト・モノ・カネが入ってきて、その島が立派になることが最終目的です。
体制としては、三つの市町と、広域合併したJA種子屋久がタッグを組み、そこに生産者や地元のお菓子屋さん等が参加してブランド化の協議会を作って取り組んでいます。




