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パネルディスカッション「地域ブランド戦略の構築とブランド価値の創造」 #4

20年度「食と農林水産業の地域ブランド協議会」総会等開催結果の報告
パネルディスカッション「地域ブランド戦略の構築とブランド価値の創造」 #4

地域ブランド化とは何か?

(金子さん)
 ここから3つのテーマで議論したいと思います。
 1点目は「地域ブランド化とは何か」ということ。三輪さんは、付加価値を付けるには加工食品が重要と指摘されました。田中さんは、最初にブランドを理解することから始めたと話されました。地域ブランド化とは何か、ブランド価値をどのように作っていくのか、議論したいと思います。 20soukai_panel4.jpg

地域ブランドの目的は、商品の付加価値を高め、地域の力を高めること(田中さん)

(田中さん)
 三輪さんが指摘されたように、利幅が薄いことが問題であり、それを解決する方法がブランド戦略です。ノーブランド商品は、創意工夫がなく、どこにでも同じものがあるから価格競争に陥ります。結果的に国内の高い賃金では作れなくなり、海外で作ったものを輸入するようになります。
 ブランド化は、まさに知的財産戦略の一つ。創意工夫により他の国や企業には作れない特別な商品を作り、それにより付加価値をつけ、長く高く売れ続けるような仕組みをつくることが、ブランド戦略です。農水産物及び食品の地域ブランドも同じで、最終的には農家さんの所得が上がる、あるいは地域全体の産業なり地域力を高めることが目的だと思います。

消費者に対して地域の食文化を認知してもらうことが重要(三輪さん)

(三輪さん)
 講演でも指摘しましたが、ブランド化は手段であり、その目的は地域の認知度を向上させ、地元に活力を起こすことだと考えます。
 ここで、従来の「お土産品」とブランド産品との違いを考えてみます。全国各地を旅すると、どのサービスエリアでも温泉でも、販売している土産品の表示を見ると、必ず見かける会社名があります。聞くところによると、この会社は全国各地の土産品を作っているといいます。この会社はある意味でマーケティングが大変上手だと思います。せんべい、ふりかけ等の基本となる製造ラインがあり、たとえば宮城県なら牛タンが有名だから、牛タンせんべい、牛タンふりかけとして商品化します。初めて宮城県に来た人は、宮城県といえば牛タンを連想しますので、思わずこれをお土産として購入してしまうというわけです。ですが、全国どこでもこの方式で同じ会社が商品を作っていると聞くと、何だか納得がいきません。
 ところが最近、ある温泉旅館の売店のマネージャー等に聞くたら、この傾向が変わってきているようです。いかにも「お土産品」として今まで売れていたものが売れなくなり、代わりに味噌が売れていると言います。最近の旅行客は、社内に配るお土産物はあまり買わない傾向にあるそうです。旅館の朝食に出た味噌汁に使われていた味噌が美味しかったから、これを自分の家のために買う、つまり「自分へのお土産」です。一過性のお土産品ではなく、自分の納得が行くものを買うという消費者に向けて、もう一度、地域の食文化をきちんと知ってもらうことが、従来の「お土産品」とブランド産品との違いではないかと思います。

地域ブランドは地域づくりそのもの(松井さん)

(松井さん)
 地域ブランドは、特産品のブランド、観光のブランド、暮らしのブランド、の三つに大きく分けられると思います。これらが有機的に結び合い、地域産業となり、豊かで魅力的な地域になるとき、地域ブランドはキラーコンテンツの役割をもつと思います。
 地域ブランドを地域の人たちでつくっていくプロセス、たとえば地域ならではの食べ方にこだわる等のプロセス自体も、地域ブランドではないでしょうか。それを食べることの幸せが生活者の中に広がる環境づくり。それは丸ごとまちづくりだと思います。
 私は建築学科出身ですが、建築物一個つくっても町はきれいにならないので、まちづくりを始めました。今は全国の様々な食材を食べ回いていますが、美味しいものがある地域は魅力的な地域であって欲しいし、その地域のバックボーンを知りたいと思います。
 地域産品だけが目立って、地域の環境が良くない地域は、魅力的な地域ブランドとは言えません。長期的課題ですが、地域ブランドによって地域が活性化し、地域ブランドが地域づくり、まちづくりそのものだと言えるようになっていただきたいと思います。

(金子さん)
 東京のバイヤーやシェフから聞いた話でも、地元で盛り上がっていない商品は、なかなか消費者に伝えるべき情報が不足しがちで厳しいとのことです。地域の食文化が大事だと思います。


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