トップ  »   »  20年度「食と農林水産業の地域ブランド協議会」総会等開催結果の報告
パネルディスカッション「地域ブランド戦略の構築とブランド価値の創造」 #6

20年度「食と農林水産業の地域ブランド協議会」総会等開催結果の報告
パネルディスカッション「地域ブランド戦略の構築とブランド価値の創造」 #6

地域ブランド戦略とマーケットインの発想

(金子さん)
 3番目のテーマは、地域ブランド戦略やマーケットインの発想の重要性、あるいは飲食業界など異業種との連携について議論をお願いします。

プロデューサーを地域内で確保したい(田中さん)

(田中さん)
 戦略を考える上で、事業者や生産者と行政や組合との関係が重要です。事業者や生産者は、良いものを作ろうとする人たちであり、ボートに喩えれば漕ぎ手です。オールを漕いで速く進もうとするのが事業者・生産者なのです。それぞれの力の入れ方や上手さが違うので、漕ぎ手だけでは上手く前に進みません。右へ、左へ、あるいは同じところをぐるぐる回ってしまいます。
 ブランド化を進めるには船頭役が必要であり、それがプロデューサーや行政・組合の役割です。しかし、プロデューサーはよそ者だから、その地域のことを十分に知らない場合もあり、あるいは将来にわたって長く関与できるかどうか分かりません。事業を継続するためには、地元で生活している人が船頭役となるべきであり、プロデューサーはコーチのような役割で支援すると、上手く前に進むのではないかと思います。
 ぜひ生産者・事業者と行政・組合が連携して組織を作っていただきたいと思います。

スーパーや外食と一緒に地域ブランドを盛り上げていけたら(松井さん)

(松井さん)
 「東京ローカルレストラン」というサイトを運営し、その中で全国の90くらいの産品を試食していますが、その中に幾つか、ブランド力が強いものが見受けられます。それらの特徴は4つに集約されます。1点目はオリジナリティがあること、2点目はブランディングの前提であるアイデアが豊富なこと、3点目は継続性があること、最後に身内の信頼によって支えられていること。
 とくに4点目の身内について、どの範囲までを身内と考えるかが非常に重要だと思います。ある種苗会社の経営者は、有名なレストランに月に8回は通っているそうです。自分の野菜が、そのレストランで使われて欲しいと考えてのことだといいます。
 スーパーや外食のバイヤーも身内にしてしまって、地域と一緒に活動を盛り上げていくように展開できたら、地域ブランドは良いものに育つと思います。そんな仲間づくりが大切です。

消費者の声を聞くと同時に、消費者にもきちんと説明すること(三輪さん)

(三輪さん)
 講演でも指摘しましたが、消費者モニター調査は、モニターのサンプリングが一番大切なポイントです。その商品のターゲットとなる客層を明確にしないと、良い調査結果は得られません。  顕著な例として、仙台と東京で調査すると、真逆の結果が出ることがあります。地元宮城の人は、フレッシュなものが安い値段で手に入る環境にありますから、加工したものを食べる必要をあまり感じません。しかし、同じ商品を東京に持っていくと、宮城県の原料で作られているだけで、消費者は感激します。「すばらしい。国産原料で作っている。ありがたい。おいしそう。健康的」と。
 地域ブランドは、地元に愛されなければいけないと思います。同時に販売先を外部にも求めなければなりません。この両立が大きな課題だと思います。
 また、マーケットインの発想は必要ですが、消費者は神様ではありません。むしろ、間違った知識をもった消費者の声によって、地方の中小企業が苦しんでいることもあります。消費者の意見を取り込むことは、外部の意見を聞くためのマーケティングトレーニングとして地方の業者に必要ですが、逆に消費者に対してきちんと説明し主張できる窓口を作ることも、今後のブランド化にとって必要な課題だと思います。

飲食店や消費者の声を聞いて、手ごたえを感じた(藤田さん)

(藤田さん)
 今まで、町の漁業関係者は閉鎖的といいますか、あまり外部の人の意見を聞いてこなかったように思います。
 松山市内の飲食店と一緒に行ったイベントでアンケートをとり、かつおを食べた人の意見を聞きました。松山に日帰りのかつおを供給するには、車で3時間かけて運ぶのでコストがかかり、単価も高くなるので心配していましたが、宣伝次第で食べてもらえそうだと手ごたえを感じることができました。
 また、地元では十分おいしい刺身が食べられるので、刺身で食べることしか考えませんでしたが、食の専門家から様々な食べ方を提案してもらい、新たな発見を得ることができました。

地域のファンを増やしていきたい(種子島さん)

(種子島さん)
 種子島の地域ブランドの戦略目標は、種子島のファンを増やすことだと考えます。三輪さんの言う「お客様との約束事を守ること」も、松井さんの言う「仲間づくり」も、ファンを増やすことにつながります。
 安納いもを出すことによって種子島のファンが増え、観光客の誘導にもつなげていきたいと思います。観光客は、見る観光から、郷土料理・歴史・文化などを味わう観光に多様化をしています。大事なことは、その地域が世の中に知れ渡り、良い地域だというイメージを持ってもらうことが一番の戦略軸だと思います。
 そう考えると、観光とともに、オーナー農業など、多面的な交流軸を増やすことも重要だと思います。


このページの先頭へ

会報(メルマガ)バックナンバー

バックナンバーは、こちらからご覧いただけます。ご覧頂くにはユーザー名とパスワードが必要です。

協議会事務局

「食と農林水産業の地域ブランド協議会」は、食品と農林水産分野で地域ブランド化を進める地域・団体等と、その支援者等から構成され、情報交換や交流を行っています。農林水産省生産局知的財産課と株式会社日本総合研究所の共同事務局で運営しています。
>地域ブランド協議会についての詳細
  • 農林水産省バナー
  • 農林水産省・知的財産・地域ブランド情報
  • まちむら交流機構バナー
当サイトへのリンクはこちらのバナーをお使いください。 食と農林水産業の地域ブランド協議会バナー
詳しくは「リンクについて」をご覧下さい。