基調講演「地域ならではのブランドづくりで日本を元気にする!」 #9
講師 三宅曜子 (株)クリエイティブ・ワイズ、(株)マーケティング・ナビ 代表取締役社長
平成21年度「食と農林水産業の地域ブランド協議会」総会・シンポジウムの報告
愛知県稲沢市「祖父江ぎんなん」
愛知県の祖父江という地域は、ぎんなんの生産が日本一です。料理屋さんで高級品として出されるぎんなんのほとんどは祖父江産です。このような事実を使ってもっと訴求していきたいというのが一つの目的でした。また、季節もののぎんなんを、もっと身近に食べてもらおうということに取り組みました。
まず最初に「運盛り」の提案を行いました。「運盛り」とは、12月の冬至の季節に「ん」の二つ付く食べ物を盛る習慣で、運を呼ぶ縁起担ぎとされています。たとえば、レンコン、ニンジン、寒天、ナンキンなどを飾ります。ぎんなんで運をつけるというテーマで提案することになりました。
こうしてできたのが、祖父江ぎんなんの運盛りパッケージです。愛知の祖父江界隈のスーパー、コンビニ等で扱っています。また、ぎんなんの調理方法を知らない人も多いのですが、殻を割って紙袋の中に入れてレンジで1分半調理すれば、ほっこりとおいしくできあがります。殻を割るのが大変だということで、殻に割れ目を入れたものを小さなます状のものに入れた小さなパッケージをつくりました。これにぎんなんが12個から15個ぐらい入ります。
従来、ぎんなんの食べ方といえば、茶碗蒸しに入れたり、中華料理に使うくらいでしたが、もっと用途を広げていこうということで簡単な料理方法と、祖父江ぎんなんのストーリーを紹介するミニリーフレットを付けました。
コンビニ対応では「ちょっとおつまみぎんなん」の商品化を進めています。今までコンビニではぎんなんは売っていませんでしたが、ビールのおつまみに最高ですから、電子レンジで簡単に調理できる商品としています。
さいごに
地域ブランドは、それをつくりあげていく人の要素が重要です。特に口コミのキーマンになっていく女性は強いです。女性は、自分たちがかかわって作ったものについて、いろいろなところで話をしてくれます。おいしいものを見つけたら周りの人たちに紹介してくれます。そういう口コミのキーマンをしっかりと増やしていくことも大きな戦略になると思います。
これらの事例は今、私がサポートしている事業で、現在進行形のものです。研究会や勉強会を重ねるごとに参加者が増えています。ブランドづくりは地元をしっかりと巻き込み、できるだけ消費者まで巻き込んでしまうことで、新たな戦略が生まれるのではないかと思います。




