紀州備長炭(和歌山県)
取組主体
和歌山県木炭協同組合
取組の概要
従来、生産者や卸売業者などからなる「和歌山県木炭協会」が出荷規格等を定め、品質の管理を行っていた。地域団体商標制度が創設されたことを契機に、2006年3月、新たに法人組織である「和歌山県木炭協同組合」を設立し、一層のブランド化に向けた取組を強化した。
【ブランド化のきっかけ】
平安時代から炭の産地として有名であり、製炭技術が確立したとされる江戸元禄時代以降は、紀州から九州や四国にその技術が伝えられた。このような歴史的背景の下、戦後も引き続き国内白炭の主要な生産地として国内での支持を維持、向上するため、1955年頃、和歌山県木炭協会(現協同組合の前身)が独自の選別規格を策定した。
【品質および名称の管理】
●和歌山県木炭協会が選別規格ポイントを策定。
1955年頃、和歌山県木炭協会が独自の選別規格を策定。選別検査合格品に対して、協会名で「合格証票」を発行するとともに、「ほんまもん紀州備長炭」シールと、備長炭専用の出荷ダンボールを交付している。材料・太さ・長さにより27種類の選別規格がある。
●県が紀州備長炭指導製炭士の認定ポイントを実施し、技術を保持・伝承。
炭焼きの技術を伝承していくため、県が1992年に指導製炭士の認定制度(17人認定)を開始。若手の育成に取り組んでいる。
●「和歌山県木炭協同組合」としての「紀州備長炭」の定義を策定。ポイント
2006年、「和歌山県木炭協同組合」の設立に当たって、「紀州備長炭」の定義を、以下の2つの要件のいずれか満たすものとする定款を策定。
- 2003年に、社団法人全国燃料協会、日本木炭新用途協議会及び全国木炭協会が「木炭の規格」の1つとして共同で策定した、次の「備長炭」の規格を満たすものであること。
- 白炭のうち、ウバメガシ(カシ類を含む)を炭化したものであること
- 固定炭素が90%以上、精錬度(炭化の度合いのこと。値が低いほど炭素の純度が高い。)が0~2度(炭化温度が800~900度以上。)であること
- 県無形民俗文化財の指定を受けている製炭技術によって製造されたものであって、ウバメガシを主体とするカシ類の天然木を原料として県内で製炭される白炭であること。
【マーケティング】
●県内の産地問屋のみからなる和歌山県木炭移出協議会(任意団体)が「紀州 備長炭使用店」の看板を交付し、焼鶏店、うなぎ料理店等の飲食店に設置。
●等級に応じて新たな用途の加工品を開発。
等級に応じて衣料・寝具等の新規用途(脱臭剤、枕の内材、炊飯補助剤等)を開発。加工品への需要が増加。
【知的財産権の活用】
●2006年、地域団体商標を取得。(「紀州備長炭」)

取組の成果
- 2004年に1,518tであった生産量が、2005年には1,611t、2006年には1,735tと順調に増加。
- 2007年2月にブランド総合研究所が行った「最も買いたい産品ブランドは何か」の調査結果において、工芸部門で第4位に選ばれた。なかでも、「品質が良い」と「環境に優しい」のイメージ分野では、いずれも第1位となった。
- 新用途を開拓したことによって、「備長炭を敷き詰めたベッドを販売したい」という寝具のトップメーカーから産地業者に注文が入るなど、順調に販売先が拡大。




